「年少者・女性の坑内労働の禁止」漫画カイジの地下強制労働施設の世界

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「年少者・女性の坑内労働の禁止」漫画カイジの地下強制労働施設の世界

「坑内労働」と聞くと何をイメージしますか?求人などで見る機会が無く、わからない人の方が多いのではないでしょうか。坑内労働とは、石炭などの鉱山の採掘作業現場や、トンネル工事などで、地表に出ない工事現場や作業場所での労働を指します。よくわからない人は、漫画「賭博黙示録カイジ」をお読み頂き学習してください。

坑内労働が就業制限される理由

坑内労働は、他の現場労働に比べて自然条件により労災が起きやすかったり、粉塵による肺の病気・熱中症にかかる危険性などが高いなど、心身に負担が大きい労働環境です。そのため年少者や女性への就業制限があり、労働時間や安全衛生管理等においても様々な規定が設けられています。

ブラック企業の常識「闇のテーマパーク」

M部長

おいバイト!今日は派遣先の仕事が少ないから、地下王国建国推進事業部へ職場見学に、チャッピーと行ってこい。

勇者もょもと

地下王国…なんか「おもちゃ王国」みたいなテーマパークかな?

チャッピーとともに向かった地下王国とは、経営幹部のための超豪華な核シュエルター建設の強制労働施設だった。そこは年間312日労働、労働基準法を無視した長時間労働及び長時間拘束の超絶過酷な現場。

チャッピー

次に地上に上がれるのは1週間後だから…一緒に穴を掘ろうか…

勇者もょもと

帰りたいっ!

イワオ

ようこそ地下王国へ!新入りの歓迎を表す発破をやろう。お前これに火をつけて投げてみろ。

勇者もょもとは、ダイナマイトに火をつけて遠くに投げた!なんと大きな穴ができた!

発破(ハッパ)とは
トンネル工事などで、手堀りや機械掘削が難しい岩石などをダイナマイト等の火薬類を使って掘削する方法。火薬類の取扱いを誤ると、爆発して大事故につながる恐れもある。

「年少者の坑内労働の禁止」法63条 条文解説

年少者の坑内労働の禁止

使用者は、満十八才に満たない者を坑内で労働させてはならない

出典:労働基準法 | e-Gov法令検索

(条文解説)
年少者はを坑内労働が禁止されています。理由としては、労災など危険を伴う可能性が高いことと、発育過程の年少者にとって、粉塵などが舞う労働環境がふさわしくないということです。

「女性の坑内労働の禁止」法64条の2 条文解説

女性の坑内労働の禁止

使用者は、次の各号に掲げる女性を当該各号に定める業務に就かせてはならない

一 妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後一年を経過しない女性
坑内で行われるすべての業務

二 前号に掲げる女性以外の満十八歳以上の女性
坑内で行われる業務のうち人力により行われる掘削の業務その他の女性に有害な業務として厚生労働省令で定めるもの

(条文解説)
1項 妊娠中の女性労働者と、産後1年以内で、坑内労働に従事しない申出があった女性労働者は、坑内労働が禁止されています。
2項 それ以外の女性労働者については、人力により行われる掘削の業務、その他有害な業務(厚労省令で指定)など一部が禁止になります。

人力により行われる掘削の業務とは
ショベルやスコップを使って、土砂や岩石を掘り取ること。

1947年の労働基準法制定時には、坑内労働の就業環境は劣悪であったため、母体保護の必要性から禁止となっていました。現在は、男女雇用機会均等法が成立し、トンネル工事の管理監督業務(現場監督)など坑内労働が行えるようになりました。

「帰郷旅費の負担」法64条 条文解説

帰郷旅費の負担

満十八才に満たない者が解雇の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満十八才に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁の認定を受けたときは、この限りでない

(条文解説)
年少者(18歳未満)の労働者を解雇して、14日以内に帰郷する場合は、使用者が帰郷にかかる旅費を、家族分も含め負担しなければなりません。本人の自己都合退職の場合や、契約期間満了で退職する場合は使用者負担はありません。

帰郷とは
故郷へ帰るという意味です。労働基準法で使用する場合は、就業のための住居変更から、退職時に元の住居に引越をすることを指します

しかし、年少者の責めにきすべき事由(年少者側に責任がある)で解雇され、かつ労働基準監督署の認定を受けた場合は、帰郷旅費を負担する義務は無くなります。

労働者の責めに帰すべき事由とは
労働者の故意、過失又はこれと同視すべき事由を指します。過失とは、不注意で行ってしまった思わぬ過ちです。

「年少者・女性の坑内労働の禁止」「帰郷旅費の負担」法63・64条 まとめ

  • トンネル工事などの坑内労働は、心身に負担が大きいため年少者や女性への就業が禁止・制限されている
  • 男女雇用機会均等法成立により、女性でも人力掘削の業務など一部の業務以外は就業可能になった
  • 年少者を解雇して、14日以内に帰郷する場合は、使用者が帰郷旅費を負担しなければならない
卍室長

女性の坑内労働については、安全面での理由以外に「女性が山に入ると山の神が怒る」という古い伝承もあって、全面禁止されていました。今では施工技術の進歩が進み、工事の安全性が高まったため、全面禁止から規制緩和の方向に進んでいます。

「帰郷旅費の負担」法64条 社労士試験過去問と解説

条文の内容を社労士試験過去問で復習します。過去の判例や事例を学ぶことで実務でも役立ちます。
答えは解答・解説を見る」 ▼を押して確認してください。

H19年出題 帰郷旅費

使用者は、労働基準法第64条の規定により、満18才に満たない者が解雇の日から30日以内に帰郷する場合においては、一定の場合を除き、必要な旅費を負担しなければならない。

出典:社労士過去問ランド

「女性の坑内労働の禁止」法64条の2 社労士試験過去問と解説

H20年出題 坑内業務の就業制限

使用者は、労働基準法第64条の2の規定により、妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女性については、坑内で行われる業務に就かせてはならないが、それ以外の女性については、男性と同様に坑内で行われる業務に就かせることができる。

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