18歳未満は危険有害な仕事は禁止「年少者の危険業務の制限」法62条

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18歳未満は危険有害な仕事は禁止「年少者の危険業務の制限」法62条

労働基準法62条では、年少者(18歳未満)の保護を目的に、危険・有害・重量物取扱業務をさせることが禁止されています。年少者は、心身ともに未成熟であるため、厳しい労働環境での就業が制限されています。

また過去には、「ガールズ居酒屋」と呼ばれる飲食店で、18歳未満の少女を下着姿で働かせたとして、法62条違反で使用者を逮捕したという事例がありました。この場合、使用者が当然悪いですが、年齢をごまかして応募してくる人もいるので、履歴書だけではなく、年齢のわかる身分証明書の確認も必要です。

ブラック企業の常識「重量物取り扱い業務は筋トレ」

M部長

今日は「従業員の健康保持増進等に配慮した職場づくり」の一環として、チャッピーと勇者もょもとにトレーニングセンターに行ってもらう。準備をしてここへ向かえ。

チャッピー

過労死ラインの残業を辞めれば健康になれると思うけど…今日も久しぶりの休みだったのに。

チャッピーと勇者もょもとは、指定された場所へ向かった。到着した場所はなんと、会社の寮の引越し作業だった!

チャッピー

飛んだ(連絡なしで辞めた)先輩社員の片づけか…もょもとは年少者だから重いものとかやらせたら駄目だよな。

勇者もょもと

これくらいなら大丈夫ですよ!バイト代は出ますかね?

チャッピー

トレーニングとか言ってたからバイト代出ないかも…重量物取り扱いの制限って、いちいち図らないから、わからないよな…

勇者もょもと

すいません!机を一人で運ぼうとしたら、壁にぶつけて穴が空きました!

チャッピー

これはもとから空いてたことにしょう!

「年少者の危険業務の制限」法62条 条文解説

1項 年少者の危険業務の制限

使用者は、満十八才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない

出典:労働基準法 | e-Gov法令検索

(条文解説)
年少者は、以下のような危険な業務や重量物を取り扱う業務、衛生上または福祉上有害な業務などの就業が禁止されています。

  • 運転中の機械等の掃除、注油、検査、修理等
  • ボイラー、クレーン、2トン以上の大型トラック等の運転または取扱いの業務
  • 深さが5メートル以上の地穴、または土砂が崩壊のおそれのある場所での業務
  • 足場の組立や解体作業など、高さが5メートル以上で墜落のおそれのある場所における業務

重量物を取り扱う業務とは

以下が法令で定める重さの基準ですが、18歳以上男性については法令上の制限は無く、腰痛、労災防止などの観点で通達により示されています。

目安としては、2Lのペットボトルが2kg、スイカ1玉5kgくらいです。上限の重量となるとかなりきついです。

2項 年少者の有害業務の制限

使用者は、満十八才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない

(条文解説)
年少者は、第1項と同様に発育過程で衛生学的に抵抗力が弱いため、以下のような有害業務が禁止されています。

  • 有害物または危険物を取り扱う業務
  • 著しく高温もしくは低温な場所または異常気圧の場所における業務

その他バーやキャバレー、クラブ等における遊興的接客業も、有害業務として禁止されています。

3項 年少者の有害業務の範囲

前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める

(条文解説)
第2項で年少者は、有害業務が禁止されていますが、具体的な業務の範囲は厚生労働省令で定めています。

「年少者の危険業務の制限」法62条 まとめ

  • 年少者は、危険・有害な業務、重量物を取り扱う業務が禁止されている
  • 未成年であるため、お酒やアルコール類が提供されるお店なども就業が制限される
  • 就業が制限・禁止されているのは、年少者の保護が目的である
卍室長

年少者が行うアルバイトは肉体労働か飲食店などのサービス業になります。同じ高校生でも、部活で鍛えられた体育会系と、ゲームばかりしている帰宅部では体力に大きな差があります。慣れない作業ということもあり、ケガをしたり、物を破損させたりすることも多いので、労働基準法に定める制限以上に作業をさえる場合には、注意が必要です。

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