法23条「金品の返還」退職時は7日以内に給料を支払ってもらえる

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法23条「金品の返還」退職時は7日以内に給料を支払ってもらえる

この記事では、労働基準法23条「金品の返還」について、わかりやすく解説します。

退職時に、働いた分の賃金(給料)が支払われなったり、支払いが遅れることによる不安感が、退職への足止めになる可能性があります。それを防ぎ、労働者の金品などを守るために法23条が定められています。

労働者が退職し請求があった場合には、賃金など労働者の所有すべき金品を、7日以内に支払わなければいけないという規定です。

法23条の金品とは

法23条の金品とは、賃金・積立金・保証金などです。実際に返還請求が多いケースは、退職時の賃金(給料)や退職金です。労働者(遺族)から請求が無ければ、就業規則に則り支払い手続きで問題ありません。

かんりにん

管理人は、ブラック企業歴25年・社労士試験を受けようと思ってのは10年前…。勉強がまったく捗らないときに考えたのが、
ブラック企業あるあると、法律を関連付けて記憶する!」勉強法です。
日々試行錯誤しながら、学習しております。

労働基準法23条「金品の返還」条文

1項 金品の返還

使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

出典:労働基準法 | e-Gov法令検索

(条文解説)
権利者が労働者が働いた分の賃金などを請求してきた場合は、使用者は7日以内に賃金などを払う必要があります。賃金支払い日(給与支払日)ではないので、注意が必要です。

権利者とは
退職した場合には労働者本人、死亡した場合には労働者の遺産相続人のことをいいます。金銭貸借関係にある権利者は含まれません。

金品返還の具体例

7/15付けで退職をし、7/16に労働者から請求をしたにもかかわらず、賃金支払日の7/25まで賃金を支払わなかった場合は、法23条違反です。※7日以内の起算日は、請求があった日です。この場合、7/22までに支払う必要があります。

起算日とは
期間計算における第一目を指します。具体的には、期間を数え始める最初の日を意味します。

退職金の取り扱い

退職金については、就業規則・退職金規定により、支払い時期を記載している場合は、その記載の支払い時期で問題ありません。記載がない場合は、請求されてから7日以内に支払う必要があります。

2項 金品の部分返還

前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。

(条文解説)
賃金または金品に関して争いがある場合とは、残業代や休日手当などの労使間で計算した金額の相違がある場合などです。使用者側で計算や確認できている部分を、7日以内に支払う必要があります。

労働基準法23条「金品の返還」まとめ

  • 金品の返還とは、働いた分の給料・退職金をいつ払うかということで、就業規則に定めがある
  • 請求があれば、就業規則の賃金支給日に関わらず、使用者は7日以内に支払わなければならない
  • 法23条の目的は、労働者の足止め防止策と労働者遺族の生活確保

労働基準法23条「金品の返還」社労士試験過去問と解説

条文だけでは、いまいち理解できないことが多いので、社労士試験の過去問で復習しましょう。
※答えは解答・解説を見る」▼を押して確認してください。

H24年出題 退職金の支払

死亡した労働者の退職金の支払は、権利者に対して支払うこととなるが、この権利者について、就業規則において、民法の遺産相続の順位によらず、労働基準法施行規則第42条、第43条の順位による旨定めた場合に、その定めた順位によって支払った場合は、その支払は有効であると解されている。

出典:社労士過去問ランド

R2年出題 意義

使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないが、この賃金又は金品に関して争いがある場合においては、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければならない。

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