【ITパスポート試験】補助記憶装置はプログラムやデータの倉庫

この記事では、ITパスポート試験合格を目指す方に、学習すべきことと過去問題を紹介しています。「試験のための勉強」で終わらないように、身近な例を挙げてわかりやすく解説していきます。
その名のとおり補助記憶装置は、主記憶装置の補助です。主記憶装置は、電源を切ると内容が消えてしまい、そのメモリ上に記憶しておける量も限りがあります。
一方、ハードディスクなどの補助記憶装置は、電源を切っても内容は消えず、入る量も主記憶装置の200~400倍ほどあります。しかし、読み書きする速度はかなり低速であるため、プログラムやデータの倉庫としての役割となります。
ハードディスクの一部を仮のメモリとする「仮想メモリ」
メモリは、ハードディスクに比べて高速ですが、サイズが限られているのでプログラムを複数動かしたり、大きなデータを扱ったりすると、メモリ上に入りきらなくなります。
そのため、ハードディスクの一部をあたかもメモリであるかのように見なし、見かけ上扱えるサイズを増やす、「仮想メモリ」(仮想記憶)という技術が用いられます。




メモリ容量不足に発生する「スワッピング」
仮想メモリでは、今時点の動作に必要ではないメモリ上のプログラムやデータを、一時的にハードディスク上へ退避させることで、メモリ上に空き領域を作り出します。このメモリの中身を一時的にハードディスクに移すことを、スワップアウトと言います。
退避させたデータが必要になったときは、先ほど退避させた内容を再びメモリ上へと呼び戻します。この一時的にハードディスクに移した内容を再度メモリに読み込むことを、スワップインと言います。
このように、メモリとハードディスクとの間で仮想メモリのための読み書きが発生することを、スワッピングと呼びます。ハードディスクは低速なので、スワッピングが発生するとコンピュータの処理速度は低下します。
持ち運び可能なリムーバブルメディア




補助記憶装置には、ハードディスクだけではなく、他にも様々な種類のものが存在します。特に駆動装置から記憶媒体を簡単に取り外すことができるリムーバブルメディアは、バックアップ用途や、ソフトウェアの配布媒体として広く利用されています。
リムーバブルメディアには、次のようなものがあります。
- 光ディスク
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レーザ光を使ってデータの読み書きを行うディスクメディアです。CD-ROMやDVD-ROMが有名で、非常に安価であるため、ソフトウェアの配布媒体として広く使われています。
ディスクの種類には、読み出し専用タイプの他、一度だけ・何度でも書き込み可能なタイプなどがあります。
- 光磁気ディスク(Magneto-Optical disk)
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レーザ光と磁気の両方を使って書き込みを行うメディアです。読み出しにはレーザ光のみを使います。
- 磁気テープ
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磁性体を塗ったテープを使い、時期によってデータの読み書きを行うメディアです。非常に低速である反面、かなり大容量なので、バックアップ用のメディアとしてよく使われます。カセットテープやビデオテープも磁気テープです。
- フラッシュメモリ
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EEPROMの一種を、補助記憶装置に転用したものです。コンパクトでかつ低価格であるため、デジタルカメラや携帯電話などの記録メディアとして使われています。
【ITパスポート試験】過去問題練習と解説




補助記憶装置-1(R元年秋期)
問:コンピュータの記憶階層におけるキャッシュメモリ,主記憶及び補助記憶と,それぞれに用いられる記憶装置の組合せとして,適切なものはどれか。
出典:ITパスポート試験ドットコム
選択 | キャッシュメモリ | 主記憶 | 補助記憶 |
---|---|---|---|
ア | DRAM | HDD | DVD |
イ | DRAM | SSD | SRAM |
ウ | SRAM | DRAM | SSD |
エ | SRAM | HDD | DRAM |
補助記憶装置-2(H23年秋期)
問:データの読み書きが高速な順に左側から並べたものはどれか。
ア 主記憶,補助記憶,レジスタ
イ 主記憶,レジスタ,補助記憶
ウ レジスタ,主記憶,補助記憶
エ レジスタ,補助記憶,主記憶
出典:ITパスポート試験ドットコム
補助記憶装置-3(H24年秋期)
問:媒体①~⑤のうち、不揮発性の記憶媒体だけを全て挙げたものはどれか。
①DRAM ②DVD ③SRAM ④磁気ディスク ⑤フラッシュメモリ
ア ①、②
イ ①、③、⑤
ウ ②、④、⑤
エ ④、⑤
出典:ITパスポート試験ドットコム
補助記憶装置はプログラムやデータの倉庫 まとめ
- 補助記憶装置は、ソフトウェア(OSやアプリケーション)やデータを保存しておくための大容量の記憶装置。
- メモリの容量が不足すると、ハードディスク(補助記憶装置)に頻繁にアクセルするスワッピングが起きる。
- 補助記憶装置には、ハードディスク以外にもフラッシュメモリなど、持ち運び可能なリムーバブルメディアがある。