【ITパスポート試験】メインメモリの役割は情報の一時的な保存場所

この記事では、ITパスポート試験合格を目指す方に、学習すべきことと過去問題を紹介しています。「試験のための勉強」で終わらないように、身近な例を挙げてわかりやすく解説していきます。
メモリと言ったら、通常は主記憶装置として使われるメインメモリのことを指します。CPUが何らかの処理を行ったり、画面上に何かしらのデータを表示したりするときに使う作業用のメモリです。
電源を切ると内容が消える「RAM」
メインメモリは、電源を切ると内容が消去されてしまい後に残りません。これは、RAM(Random Access Memory)というメモリ種別の特性であり、このような性質を「揮発性」と呼びます。
RAMは読み書きを自由に行えるのが特徴です。RAMにはDRAMとSRAMという2つ種類があり、それぞれ次のような特徴を持ちます。
DRAM(Dynamic RAM)
安価で要領が大きく、主記憶装置に用いられるメモリです。ただ読み紙はSRAMに比べて低速です。記憶内容を保つためには、定期的に内容を再書き込みするリフレッシュ動作が欠かせません。
SRAM(Static RAM)
DRAMに比べて非常に高速ですが価格も高く、したがって小容量のキャッシュメモリとして用いられるメモリです。記憶内容を保持するのに、リフレッシュ動作は必要ありません。
電源を切っても内容が消えない「ROM」




家電製品のように「決められた動作を行うだけの特定用途向けコンピュータ」の場合には、ROM(Read Only Memory)という種別のメモリを使用します。ROMは基本的には読み込み専用のメモリなので、動作に必要なプログラムやデータは、あらかじめメモリ内に書き込まれた状態で工場から出荷されます。
その内容は電源の状態に関係なく保持されたままです。このような性質を「不揮発性」と呼びます。
ROMは基本的には読み込み専用のメモリですが、専用の機器を使うことで記憶内容の消去と書き込みができる、PROMという種類も存在します。
デジタルカメラなどで利用されているメモリカード(SDカードなど)もこの1種で、フラッシュメモリと呼ばれます。ROMの種類と特徴は、それぞれ次のようになります。
マスクROM
読み込み専用のメモリです。製造時にデータを書き込み、以降は内容を書き換えることができません。単にROMといった場合は、マスクROMを指します。
PROM(Programmable ROM)
ユーザの手で書き換えることができるROMです。下記のような種類があります。
- EPROM(Erasable PROM)
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イレイサブル(Erasable)とは、消去可能という意味です。紫外線でデータを消去して書き換えることができます。
- EEPROM(Elecctrically EPROM)
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イレクトゥリカリィ(Elecctrically)とは、電気によってという意味です。電気的にデータを消去して書き換えることができます。
- フラッシュメモリ
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フラッシュ(flash)とは、瞬間、ごくわずかな時間という意味です。EEPROMの一種で、全消去ではなく、ブロック単位でデータを消去して置き換えることができます。
【ITパスポート試験】過去問題練習と解説




メモリに関する記述-1(H30年春期)
問:メモリに関する説明のうち,適切なものはどれか。
ア:DRAMは,定期的に再書込みを行う必要があり,主に主記憶に使われる。
イ:ROMは,アクセス速度が速いので,キャッシュメモリなどに使われる。
ウ:SRAMは,不揮発性メモリであり,USBメモリとして使われる。
エ:フラッシュメモリは,製造時にプログラムやデータが書き込まれ,利用者が内容を変更することはできない。
出典:ITパスポート試験ドットコム
メモリに関する記述-2(H30年春期)
問:フラッシュメモリに関する記述として,適切なものはどれか。
ア:高速に書換えができ,CPUのキャッシュメモリに用いられる。
イ:紫外線で全データ一括消去できる。
ウ:周期的にデータの再書込みが必要である。
エ:ブロック単位で電気的に内容の消去ができる。
出典:基本情報技術者試験ドットコム
メインメモリの役割は情報の一時的な保存場所 まとめ
- メモリ=主記憶装置のメインメモリを指し、RAMと呼ばれ、電源を切ると内容が消える揮発性という特性を持つ。
- 読み込み専用のメモリはROMと呼ばれ、電源を切っても内容が消えない不揮発性という特性を持つ。
- PROMは、書き換えることができるROMで、データの消去方法によりEPROMやEEPROMに分類される。