【ITパスポート試験】コンピュータ・パソコンの中はどうなっている?

この記事では、ITパスポート試験合格を目指す方に、学習すべきことと過去問題を紹介しています。「試験のための勉強」で終わらないように、身近な例を挙げてわかりやすく解説していきます。
ITパスポートとは
ITパスポート試験は、数ある情報処理技術者試験の中で、初級の入り口にあたる試験です。ITに専門的に関わる人以外でも、パソコンやインターネットについて、おさえておきたい基礎知識です。
パソコンはハードだけでは動かない
パソコンは「ハードウェア」と「ソフトウェア」でできています。
ゲームをするときに、高性能なゲーム機があったとしても、ゲームソフトが無ければ遊ぶことはできません。ハードウェアは、色々と複雑なことができるように考えられていますが、単体では動くことができません。
ハードウェアは、「機能はあるが、自分では動けない存在」であるため、その機能を動かす役割をするのがソフトウェアです。ハードウェアとソフトウェアは、複雑なことを機会にやらせる上で、欠かせないパートナー関係にあります。
- ハードウェア(ハード)
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パソコンに使われている部品やそれらを組み合わせた機器のことです。ディスプレイ、キーボード、マウス、CPUなどはすべてハードウェアです。
- ソフトウェア(ソフト)
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パソコンを動かすには、ハードウェアにどのような手順で処理を行うのかを、具体的に命令する必要があります。この命令の集まりをプログラムやソフトウェアと呼びます。
役割によって基本ソフトウェア(オペレーティングシステム、OS)とアプリケーションに大別されます。
- OSの例
Windows(ウィンドウズ)、macOS (マックオーエス)、Unix(ユニックス) - アプリケーションの例
「Word」や「Excel」などMicrosoftOfficeアプリ、「Google Chrome」や「Microsoft Edge」などのウェブブラウザ。
- OSの例
パソコン(ハードウェア)の中身




身近なハードウェアとして、パソコンの中身を見ていきます。
- CPU
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CPUは、考えたり計算したりする頭脳の部分です。作業をする人に例えると、CPUの能力が高ければ、仕事・作業の効率が上がります。
- メモリ
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メモリは、動作するために必要なデータを読み込んで、一時的に保持する部品です。作業をする人に例えると、メモリは「作業するデスクの広さ」で、広ければ作業が捗り、作業が速く進みます。
作業する人の能力が高くても、作業デスクが狭いと作業が遅くなってしまいます。
- ストレージ
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ストレージは、長期的な記憶を行う装置全般のことを指し、補助記憶装置ともいいます。ストレージは「作業デスクの引き出し」で、大きければ、作ったモノ(データ)が多く入ります。ストレージには、主に次の二つに分けられます。
- 内部ストレージ(コンピューターに搭載のパーツ)
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パソコンに搭載されるストレージには、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)とSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の2種類です。HDDが離れたところにある棚、SSDがすぐ近くの引き出しというイメージです。
- 外部ストレージ(コンピューターの周辺機器)
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パソコンでは、外付けハードディスク・外付けSSD、USBメモリなど、スマホでは、microSDカードなどが多く利用されています。
- 光学ドライブ
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CDやDVDなど、光ディスクを読み書きする装置です。
- 拡張ボード
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パソコンに任意の機能を追加するためのパーツです。マザーボードには、拡張ボードを差し込むための 「拡張スロット」 という差し込み口があり、そこに拡張ボードを差し込むことで、新しい機能を追加することができます。
このようにパソコンには、多くの部品がつまっています。これらを人が管理するのは難しいため、OSと呼ばれる基本ソフトウェアがその代わりを務め、パソコンとして協調動作するようにしてくれています。
パソコン(コンピュータ)の5大装置とそれぞれの役割




コンピュータのハードウェアは、大きく「制御」、「演算」、「記憶」、「入力」、「出力」で構成されています。この機能を総称して、コンピュータの5大装置と呼ばれ、これらの装置が連携してコンピュータは動いています。それぞれ具体的な役割・動きを紹介します。
中央処理装置(CPU:Central Proccessing Unit)
CPUはコンピュータの中核部分で、制御と演算を行う装置です。CPUはさらに制御装置と演算装置に分類されます。
- 制御装置
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核装置を制御する指導的役割です。プログラムの命令を解釈して、コンピュータ全体の動作を制御します。
- 演算装置
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命令に従って演算を行います。四則演算をはじめとする計算や、データの演算処理を行います。
記憶装置
動作に必要な情報を保持したり、ファイルとして保存したりします。記憶装置はさらに二つに分類されます。
- 主記憶装置
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動作するために必要なプログラムやデータを一時的に記憶する装置です。代表的な例としてメモリがあります。コンピュータの電源を切ると、その内容は消えてしまいます。
- 補助記憶装置
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プログラムやデータを長期にわたり記憶する装置です。長期保存を前提としているので、主記憶装置のようにコンピュータの電源を切ることで、内容が破壊されたりするこうなことはありません。主記憶装置が人の記憶、補助記憶装置がメモ帳のような関係です。
代表的な例としてハードディスクの他、CD-ROM、DVD-ROMのような光メディア等があります。
入力装置
コンピュータにデータを入力するための装置で、人間の目や耳に相当します。代表的な例として、以下のものがあります。
- キーボード
文字や数字を入力する装置です。 - マウス
マウス自身を動かすことで、位置情報を入力する装置です。 - スキャナ
図や写真などをディジタルデータに変換して入力する装置です。
出力装置
コンピュータのデータを出力するための装置で、人間の口や手に相当します。代表的な例として、以下のものがあります。
- ディスプレイ
コンピュータ内部のデータを画面に映し出す装置です。 - プリンタ
コンピュータの処理したデータを紙に印刷する装置です。
装置間の制御やデータの流れ
装置間の制御やデータ(およびプログラム)の流れは次のようになります。




制御の流れ(制御信号)
命令は必ず制御装置から他の装置へ伝達されます。
データ(およびプログラム)の流れ
主記憶装置をいったん経由して、核装置にデータが渡ります。CPUと各装置を結ぶ回線をバスと呼びます。
【ITパスポート試験】過去問題練習と解説




コンピュータ構成要素-1
問:コンピュータを構成する一部の機能の説明として、適正なものはどれか。
ア 演算機能は制御機能からの指示で演算処理を行う。
イ 演算機能は制御機能、入力機能および出力機能とデータの受け渡しを行う。
ウ 記憶機能は演算機能に対して演算を依頼して結果を保持する。
エ 記憶機能は出力機能に対して記憶機能のデータを出力するように依頼を出す。
コンピュータ構成要素-2
問:コンピュータ内部において、CPUとメモリの間やCPUと入出力装置の間などで、データを受け渡す役割をするものはどれか。
ア バス
イ ハブ
ウ ポート
エ ルータ
コンピュータ・パソコンの中はどうなっている? まとめ
- パソコンはハードウェアとソフトウェアでできている。
- ハードウェアは、制御、演算、記憶、入力、出力で構成され、コンピュータの5大装置と呼ばれる。
- CPUには、制御装置と演算装置に分類され、命令は必ず制御装置から他の装置へ伝達される。